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関東大震災100年綜合文化公演/朝鮮人虐殺をテーマに、留学同兵庫
関東大震災100年綜合文化公演/朝鮮人虐殺をテーマに、留学同兵庫
2023.02.24
「第四回 留学同兵庫綜合文化公演-九月の残響」が2月18日、神戸市内の会場で行われた。総聯兵庫県本部の金徹委員長や神戸朝高の生徒・教員、留学同卒業生などの地域同胞や日本市民ら100余人が観覧した。
留学同兵庫単独の文化公演は2020年に始まり4回目となった。公演は20人が出演するなか、サムルノリに始まり、演劇、創作舞踊、アピール、合唱で構成された。
第4回文化公演のテーマは1923年9月1日に関東地方南部を襲った大震災と、その直後に起きた朝鮮人虐殺。公演全体を通して関東大震災における朝鮮人虐殺の歴史性、現在にも尾を引く朝鮮人に対する攻撃を表現した。とりわけそれらの表現についてはあえて蓋をせずさらけ出し「差別は疑いなく目の前に確かに横たわっている」というメッセージを込めた。
演劇は、留学同の学生らが企画する関東大震災時の朝鮮人虐殺をテーマにした大学内展示会が右翼青年によって妨害される場面から始まった。「虐殺ではなく朝鮮人暴動に対する正当防衛であった」「殺された正確な数はわからない」「骨の一本も見つからない」「捏造である」など、さまざまな「流言蜚語」が学生らを攻撃する。はじめはその対応で意見が割れた学生たちであったが、攻撃を受けながらも淡々と研究活動を続ける大学教授や、虐殺を生き残ったアボジの証言を伝える女性と出会い、無残に殺された朝鮮人一人ひとりの「叫び」と真摯に向き合う中で葛藤し、前を向いていく。
留学同兵庫は演劇を通じて、関東大震災から100年が経った今も街角に蔓延るヘイトスピーチ、在日朝鮮人に対する直接的な暴力、京都ウトロ地区の放火事件をはじめとしたヘイトクライムなど、朝鮮人に対する攻撃は最も身近にある朝鮮人虐殺の名残なのではないかと強く訴えかけた。
演劇では大学教授を演じ、アピール文の作成にも携わった関西学院大学3年の黄桂範さんは「準備期間、そして本番を通して、関東大震災時の朝鮮人虐殺の歴史についてより知識を深めるきっかけになった。何より、この事件を自然災害の混乱の中で起きたいち犠牲として捉えるのではなく、日本帝国の近代化、植民地支配によって作り出された朝鮮人に対する蔑視感情によって行われた虐殺だという視点が必要だと感じた。また歴史が消されていく中で留学同活動を通して歴史を保存し、継承し、伝えていく必要性を強く感じた」と述べた。
留学同兵庫の学生たちはこの公演を皮切りに、真相究明や資料の発掘を含めた研究活動、隠蔽工作や歴史修正主義に抗う実践活動に励んでいく決意を新たにした。