在日本朝鮮人文学芸術家同盟

朝・日奏者による初の演奏会/ハンアルム管弦楽団「胎動~movement~」

《朝鮮新報》2022.04.12

川崎で/ハンアルム管弦楽団による演奏会「胎動~movement~」が行われた

ハンアルム管弦楽団による演奏会「胎動~movement~」(主催=ハンアルム管弦楽団公演実行委員会、後援=在日本朝鮮文学芸術家同盟神奈川支部)が10日、カルッツかわさきホール(神奈川県川崎市)で行われた。県内外の同胞や日本市民ら約700人が観覧。会場では手指の消毒、検温などの感染症対策が施された。

管弦楽団は神奈川吹奏楽団、金剛山歌劇団をはじめとする同胞奏者とプロの日本人奏者ら83人で構成。楽団員たちはフルオーケストラで迫力ある音色を観客に届けた。

ソヘグム協奏曲「ピバダガ」(提供=公演実行委員会)

楽団名「ハンアルム」は、両手を伸ばして抱きかかえた時の大きさ、すなわち「一抱え」という意味を持つ。許道鎮団長は「民族の垣根を超えみんなが『ハンアルム』の中でひとつの音を奏でていこうという意思と『ハン(ひとつ)』の『アルム(美しさ)』を音楽を通じて追求するという意味を込めて名付けた」と話した。

金殷真さん(神奈川中高教員)指揮のもと「祖国のつつじ」で幕を開けた第1部では「パイレーツ・オブ・カリビアン~呪われた海賊たち~」メドレー「ラプソディ・イン・ブルー」などが披露された。特に同胞歌手の宋明花さんによる独唱と演奏「陽山道」、全明華さんによる独唱と演奏「花歌」は観客の好評を博した。

第2部ではソヘグム協奏曲「ピバダガ」、交響曲「花を売る乙女」(全4楽章)を披露。大阪音楽大学教授の高昌帥さんの指揮に沿って奏でられる、優雅で力強い旋律に、客席からは拍手が絶えなかった。

独唱と演奏「花歌」(提供=公演実行委員会)

金京美さん(54)は演奏会の知らせを聞いて、この機会を逃すまいと考え北海道から駆け付けた。「やはり『祖国のつつじ』『花を売る乙女』は格別だった。朝鮮の音楽を大切に受け継ぎ、広めようと尽力する関係者の方々には尊敬と感謝の気持ちでいっぱいだ」と感想を述べた。

横浜市在住の濱田浩司さん(53)は「伝統的な朝鮮音楽の魅力に圧倒された。独奏『陽山道』は特に独特なリズムで、見ていて楽しかった」と笑顔を見せた。

また、友人に誘われて足を運んだという川崎市在住の日本市民(64)は「朝鮮音楽の演奏に初めて触れた」と喜びをにじませ「在日コリアンと日本人が共に舞台を作り上げていることにも意義を感じた。また是非みたい」と期待を語った。

実行委では今回の経験を糧に、ハンアルム管弦楽団による演奏会を定期的に催せるよう計画しているという。

公演は観客の好評を博していた(提供=公演実行委員会)

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