在日本朝鮮人文学芸術家同盟

友/벗 ペク・ナムリョン著、和田とも美訳

友/벗

백남룡 ペク・ナムリョン著、和田とも美訳

小学館。03-3404-1201。本体2310円(税込)

原作は、朝鮮文学の文豪である著者が1988年に発表した中編小説。

芸術団の歌手として活躍するチェ・スニはある日、機械工場の労働者である夫との離婚訴訟を提起する。本書は、離婚訴訟を巡るスニたち夫婦の苦悩や、離婚の審議にあたる判事とその妻の結婚生活についても掘り下げた。

小説は国際的に話題を呼び、これまでフランス、南朝鮮、米国で翻訳出版。また朝鮮国内でドラマ化、南朝鮮では舞台化された。

〈 目次 〉

第一章 ある夫婦

第二章 二つの生活

第三章 家庭

訳者解説

北朝鮮の市井の人々が描かれた文学を読む
北朝鮮の市井の人々を描いた作品。

1988年に北朝鮮で刊行され、後に韓国で出版。さらにフランス、アメリカでも翻訳出版された。
アメリカの「ライブラリー・ジャーナル」で、2020年のBest Books翻訳文学部門の10冊に選出。

離婚を望む歌手である妻と、寡黙な技術者の夫。そして、その離婚の審議に当たる判事と、野菜の研究者として生きる妻。二組の夫婦の姿を軸に、地方都市の情景や、そこに生きる人々の心情を描く。

「北朝鮮の人が読む北朝鮮の文学とは何か?
1988年に出版されたペク・ナムリョンの小説『友』は、“北朝鮮”という言葉から思い浮かべるロケット弾や軍事パレードではなく、日常を呈している。〈中略〉
小説は、投機的なニュースよりも恒久的な事実を提供するかもしれない」
――― New York Times Book Reviewより

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