在日本朝鮮文学芸術家同盟

愛知中高・高級部声楽部の快挙/アンサンブルコンテストで金賞

《朝鮮新報》2021.02.25

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“ウリハッセンとしての活躍、嬉しい”

公演当日、声楽部員らはチョゴリを着て舞台に立った

愛知中高の高級部声楽部が、1月17日に行われた「第27回愛知県ヴォーカルアンサンブルコンテスト~高等学校部門~」(主催=愛知県合唱連盟)に出場し、金賞を受賞した。部員たちは「チョゴリを着て朝鮮人としての自負心を持って歌えたことが嬉しい」と話した。

1年間、新型コロナの影響で例年に比べ十分な部活動を行えなかったという声楽部員たち。夏休みはオンラインで、学校ではフェイスガードをつけて練習を行った。

コンテストには部活を引退した高級部3年を除く6人の部員で挑むことになった。6人中4人は高級部から声楽を始めたこともあり、部員らは当初、金賞を取ることに対し「相当難しい」と覚悟していたという。李美璃さん(2年)は「賞にはこだわらず『歌を通して自身らの気持ちを伝える』ことを目標に、約2カ月の間練習に励んだ」と話した。

コンテストでは映画「ポカホンタス」の主題歌「カラー・オブ・ザ・ウィンド」を歌った。植民地支配、人種差別などをテーマにした曲だ。

部員らはこの曲の歌詞について学ぶ過程に「高校無償化からの朝高排除など、在日朝鮮人を取り巻く差別問題と繋がっていった」という。「自身らのメッセージを審査員に届けられるよう、発音や発声に気を使って練習を重ねた」(鄭悠奈さん、2年)。

声楽部の講師を務める尹玉任さん(49)によると、桜花学院高や光が丘女子高など、合唱では名の知れる「強豪校」が数多く存在する愛知県は声楽の「激戦区」とも呼ばれている。そのぶん今回の金賞受賞は、保護者をはじめとする地域同胞たちの大きな反響を呼んだ。金素向さん(高2)は「ウリハッキョの生徒として活躍できたことが嬉しい」と笑みをこぼした。

これからも伝統守りたい

インタビューに答える部員たち

尹玉任さんは「練習に臨む姿勢と集中力は並外れていた。彼女らから伝わる必死さや切実さは、今まで指導してきた生徒たちのなかでも一番だった」と強調する。

「歌を通して生徒たちは朝鮮の文化を学び、発信する。かのじょらが心を込めて歌って観客にメッセージを届ける姿を見ると講師として誇らしく感じる。」(尹玉任さん)

部員たちも「声楽部の伝統をこれからも守っていきたい」と口をそろえる。李美璃さんは「人数は少なくとも、みんなの力を合わせて部活を担っていく。ウリハッキョ声楽部の伝統をこれからも守りたい」と力を込めた。

金素向さんも「これからも歌を通して在日朝鮮人や朝鮮学校のアピールをしていきたい」と胸を張った。

(金紗栄)

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